NPO 在宅ケアを支える診療所・市民全国ネットワーク 全国の集い in 鹿児島 2016は、『ご近所』が主役 おひとりさまも人生100年「きばいやんせ!!」
平成28年9月18日(日)・19日(月・祝)
かごしま県民交流センター

大会1日目 シンポジウム

 

基調シンポジウム 「人生100年 初代の心意気」

シンポジスト 樋口 恵子(評論家)
       上野千鶴子(社会学者)
       三浦 公嗣(医師・前厚生労働省 老健局長)
       加倉 秀章(医師・医療法人 春成会鵜木医院 院長)
       黒岩 卓夫(医師・医療法人 萌気会 理事長)
       吉井 敦子( 社会福祉法人野の花会理事長 社会福祉法人野の花会アルテンハイムリハビリクリニック本町 理事長)

抄録趣旨
 大会での基調シンポジウムには「人生100年・志と学びをもって生きよう」と呼びかける樋口恵子さん、「おひとりさま」の多い鹿児島にあって上野千鶴子さんには「地域包括ケアは独居世帯を救えるか」などの提言もいただき、医師の立場から前厚生労働省老健局長 三浦公嗣氏にもご出席いただきます。
 さらにこの会の理念を心に先進的に新潟・鹿児島で在宅ケアを目指し診療所を核に医療・介護・保育などの事業に取り組まれた黒岩・加倉両先生の話も伺います。

 

市民公開講座① 今こそ『ご近所が主役』のまちづくり〜地方創生を考える〜

座 長      八田 冷子(鹿児島純心女子大学教授)
特別講演     山崎 史郎(前・内閣官房地方創生総括官)
シンポジウム
コーディネーター 山崎 史郎
         雄谷 良成(社会福祉法人 佛子園 理事長)
         山崎  亮(studio-L 代表、東北芸術工科大学教授、慶応義塾大学特別招聘教授)
         袖井 孝子( お茶の水女子大学名誉教授/コミュニティネットワーク協会/「地方創生へのまちづくり・ひとづくり」 編者))

趣   旨
 市民公開講座①について、山崎氏には前内閣官房、地域創生総括官のお立場から人口減少の問題による様々な課題と新たな時代の地域体制づくりなどについてのご意見を伺います。他に地域デザインの山崎亮先生、地域創生の街づくり人づくりの著者でもある袖井孝子先生「私がつくる街Share 金沢」の雄谷良成氏など進取的取り組みをされている方の講演シンポジウムも準備しております。 <シンポジウム>  シンポジウムでは、まずシンポジストの方々から発表をいただきます。雄谷良成氏は、シェア金沢、白山、輪島など、地域に密着した生活・ケア体制づくりに取り組まれている方です。山崎亮氏は、地域デザインのご専門で、地域住民が地域再生に主体的に取り組む実践家でもあります。袖井孝子氏は高齢者問題がご専門ですが、まちづくりのための住民参加の取組(ゆいまーる那須)にも参加されている方です。皆様の発表の後、まちづくりや地域包括ケアをテーマに、コーディネーターも参加して意見交換を行います。

 

市民公開講座① 特別講演 「地方創生の基本方向」

山崎 史郎(前・内閣官房地方創生総括官)

講 演
 我が国は、今後本格的な人口減少を迎えます。これを楽観的に考えるべきではなく、人口減少は年々加速度的に進行し、社会経済に極めて大きな影響を与えていきます。人口減少の動向は、地域によって大きく異なっており、その結果、「地域多様化時代」が出現することが予測されます。すなわち、地方では、急激な人口減少(特に若壮年層の減少)によって、コミュニティが持続的に存立しうるかどうか危ぶまれる地域が続出するおそれがあります。一方、大都市は、人口減少は緩やかであるものの、今後急激に高齢化し、一人暮らし高齢者など社会的に「孤立化」した人が大幅に増加することが考えられます。両者の様相は異なるものの、いずれの地域も「地域コミュニティ」の存続が根本から問い直される時代を迎えるのは明らかです。いかに人口減少問題を克服し、地域コミュニティ機能の再構築を図るかが、我が国の最大課題の一つとなってきます。
 我が国の医療・介護・福祉などの社会保障サービスは、「地域」をベースとしていることが特色の一つであり、しかも、「地域包括ケア」にみられるように、今後ますます「地域」の重要性は高まってきます。人口減少・地域多様化時代においては、人口増加・ニーズ増大を背景にした「全国一律化」、「サービスの専門分化」、「市町村内完結」を柱とする従来型の対応を乗り越えた、新たな時代の地域体制づくりを追求する必要があります。これは、「まちづくり」の取組と共通性が高い、多様性かつ柔軟で、地理的条件のみにとらわれないオープン形の「多世代共生型人的ネットワーク」の形成・維持が重要な役割を果たすと考えられます。

 

市民公開講座① 「ごちゃまぜ」のまち、交流人口がキーワード

雄谷 良成(社会福祉法人 佛子園 理事長)

 戦後、わが国は高齢、児童、障害の分野をそれぞれ種別福祉として充実を図ってきました。今、少子高齢核家族化が進んだわが国においては、福祉の創世記に比べるとその社会環境は著しく変容し、その縦割りの福祉のあり方がともすれば弊害となる局面も少なからずあるのではないでしょうか。
 平成26年から始まった地方創生の大きな流れの中で今注目を浴びている日本版CCRC「生涯活躍のまち」。そのまちづくりの中でも重要なキーワードが、「ごちゃまぜ」。高齢者も若者も子どもも、障害のある人もない人も、病気の人もそうでない人も、日本人もそうでない人も。多世代・多文化、様々な人たちが縦割りの社会を越えて地域の人たちと関わりつながり合っていく時、いったいどのような化学反応が起こるのでしょうか。
 『「ごちゃまぜ」とは何か』を考えるとともに、自分が住む地域の中に自然と人が「ごちゃまぜ」になるような場所は見当たるでしょうか、あるいは見当たらない場合にはいかにして作り上げていくことができるのかを皆さんといっしょに考えてみたいと思います。

 

市民公開講座① 「地域デザイン」

山崎  亮(studio-L 代表、東北芸術工科大学教授、慶応義塾大学特別招聘教授)

◆プロフィール
山崎  亮(やまざきりょう)
 studio-L代表。東北芸術工科大学教授(コミュニティデザイン学科長)。慶応義塾大学特別招聘教授。
1973年愛知県生まれ。大阪府立大学大学院および東京大学大学院修了。博士(工学)。建築・ランドスケープ設計事務所を経て、2005年にstudio-Lを設立。地域の課題を地域に住む人たちが解決するためのコミュニティデザインに携わる。まちづくりのワークショップ、住民参加型の総合計画づくり、市民参加型のパークマネジメントなどに関するプロジェクトが多い。「海士町総合振興計画」「studio-L伊賀事務所」「しまのわ2014」でグッドデザイン賞、「親子健康手帳」でキッズデザイン賞などを受賞。
 著書に『コミュニティデザイン(学芸出版社:不動産協会賞受賞)』『コミュニティデザインの時代(中公新書)』『ソーシャルデザイン・アトラス(鹿島出版会)』『ふるさとを元気にする仕事(ちくまプリマー新書)』『コミュニティデザインの源流(太田出版)』などがある。

 

市民公開講座① 「まちづくりは、ひとづくり」

袖井 孝子( お茶の水女子大学名誉教授/コミュニティネットワーク協会/「地方創生へのまちづくり・ひとづくり」 編者)

  地方創生にとりかかろうとする自治体や事業者の多くは、とかく移住する人々の生活や意識に注目しがちだが、大切なのは受け入れ側の地域住民の生活とQOLの向上である。つまり、上からの押し付けではなく、「ご近所が主役」でなければならない。移住する人々を含めて、すべての住民が最期まで安心して暮らせるコミュニティを創り上げるには、住民目線に立って企画し、住民との協働を通じてまちづくりをする人材が欠かせない。まちづくりは、橋や建物などのハードよりも、ひとづくりというソフトが重要である。
 一般社団法人コミュニティネットワーク協会では、かねてより地域プロデューサーの養成を行ってきた。地域プロデューサーとは、株式会社コミュニティネットの社長である高橋英與が20年近く前から提唱しているまちづくりの専門家である。地域プロデューサーは、対象地域に2〜3年住み込み、コミュニティにおけるステークホルダーたち(自治体、企業、住民団体、NPOなど)のニーズをくみ上げ、地域にある資源を活用し、住民との協働を通じて高齢者の住まいを創り上げてきた。ゆいま〜る那須の事例を中心に地域プロデューサーの活動を紹介したい。