NPO 在宅ケアを支える診療所・市民全国ネットワーク 全国の集い in 鹿児島 2016は、『ご近所』が主役 おひとりさまも人生100年「きばいやんせ!!」
平成28年9月18日(日)・19日(月・祝)
かごしま県民交流センター

大会2日目 シンポジウム 午後

 

特別講演 「目標達成へのプロセス」〜医療介護人材のマンパワーを引き出す組織作り〜

講 師       佐々木則夫(サッカー指導者、サッカー日本女子代表前監督)

 4人に1人が高齢者という超高齢化社会の今日、介護人材のニーズはますます高まっています。他の職種でも人手不足は深刻ですが、介護職は現実とは違うイメージが社会に浸透してしまい、さらに困難な状況にあります。
 しかし、現場では仕事に価値を見出し、はつらつとひたむきに頑張る若い力があり、私たちはそれを讃え科学的介護を実践し、また介護ロボットを使いこなせる時代の先端をゆくテクノロジストの育成環境を整え、クリエイティブな介護を実践するための努力を重ねています。今回は医療・介護人材におけるマンパワーを引き出す佐々木流の組織作りへのプロセスを学びます。
【主な経歴】
1958年5月24日 山形県生まれさいたま市在住
帝京高校・明治大学を経てNTT関東サッカー部で選手として活躍
【略 歴】
1990年 現役引退
NTT関東サッカー部・大宮アルディージャでコーチ、監督を歴任
2006年 日本サッカー協会なでしこジャパン(日本女子代表)コーチ就任
2007年 日本サッカー協会なでしこジャパン(日本女子代表)監督就任
2008年 東アジア女子サッカー選手権に優勝し、日本初のタイトルをもたらす
北京オリンピックベスト4
2010年 東アジア女子サッカー選手権で2度目の優勝
2011年 FIFA女子ワールドカップドイツ2011で
日本サッカー初の世界一へ導く
2012年 ロンドンオリンピック銀メダル獲得(日本サッカー史上初)
2014年 AFC女子アジアカップ優勝
2015年 FIFA女子ワールドカップカナダ2015準優勝
【受賞歴】
2011年  国民栄誉賞(サッカー日本女子代表)
    紫綬褒章
    AFC最優秀監督賞
    明治大学特別功労賞
    ゆうもあ大賞
    財界賞特別賞
    尾花沢市市民栄誉賞
    山形県県民栄誉章
    さいたま市民栄誉賞
    文部科学省スポーツ功労賞
2012年 IFAバロンドール女子最優秀監督賞
   (2011年年間表彰)
    尾花沢市特別功労賞
    ベストドレッサー賞
2015年 さいたま市長特別賞
    尾花沢市市民特別功労賞
    埼玉県民栄誉章
    山形県スポーツ大賞

 

シンポジウム⑥ 地域を支える・見守る社会貢献活動

座 長      浜田  博(社会福祉法人紘徳会 事業本部長)
シンポジスト   丸田 尚永(みどりの園)
         清水 健史(医療法人愛誠会)

 住み慣れた地域で生活を送る高齢者の多様なニーズは、行政を中心とした公的サービや単一の主体だけで担うことは困難である。つまり、地域包括ケアシステムの構築においても指摘されているように「公助」「共助」だけでなく、「自助」を基本としつつ、多様な主体と自治体が協働しながら地域全体を支え合う「互助」の体制をつくっていくことも重要なことである。殊に、少子高齢化が進み若年人口の流出が加速している過疎地域ではコミュニティが縮小し、やもすると消滅の危機も少なくない。報告1は青色防犯パトロール活動を通して、安全で安心して暮らせる地域社会の実現を目的とし共存・共栄の人間関係構築しながら「ないとカフェ」の開催により新たな地域のコミュニティ作りに取り組んでいる事例である。
 報告2は、社会福祉協議会との見守り協定を始め、サロン開催や長寿会参加、近隣施設への出張健康教室、外来患者向けの健康教室等の活動を通じて、医療機関が中心になり地域住民が安心した生活が出来るように取り組んでいる事例である。

 

シンポジウム⑥ 輝北☆町ぐるみ見守り隊(青色回転灯防犯パトロール隊)および「ないとカフェ」の活動報告

シンポジスト 丸田 尚永(みどりの園:鹿児島県鹿屋市)

 鹿屋市輝北町は少子高齢化の地域で行政のサービスも行き届かなく福祉サービスはあるが地域全体に活気がない地域現状であります。
 法人のミッションである「高齢者福祉事業を通して社会貢献を行う事により輝北町における幸福な生活を創造する」ことを実践するために、地域交流の活性化・地域活動の促進・地域との繋がりから地域を支える・見守る活動を行っています。
 また、子供から高齢者まで活気のある安心、安全な地域を目指し様々な取り組みを行っています。
 ・送迎車両を活用した青色パトロール隊の活動
 ・介護・医療・福祉分野の介護講習会や生き生きサロンの開催・介護予防
 ・利用者様やご家族、地域の方々、スタッフの交流の場である「ないとカフェ」の開催
 ・廃校の小学校を利用した地域活性化活動
 様々な活動や企画を通して地域と共に「生きる」ことつまり地域と「共存」していく事が大切であり、また、地域おける当法人の存在と立場の確立も重要であると考えます。
 ここに、地域と共に行った活動の成果を報告致します。

 

シンポジウム⑥ 地域住民が安心した生活をおくるために当法人の活動報告

シンポジスト 清水 健史(医療法人愛誠会:鹿児島県曽於市)

 鹿児島県曽於市は鹿児島県東部、宮崎県との県境に位置する人口37,730 人(平成28 年8月1日現在)、高齢化率:34.7%(2010 年国勢調査)のまちである。二次医療圏では曽於医療圏に属しており、人口10 万人当たりの医師数は県内最下位の112.9 人(2014 年医師・歯科医師・薬剤師調査)となっている。
 当法人は他の機関との競争ではなく共創の考えのもと、医療・介護活動を行っている。いくつかの社会貢献活動についての事例を挙げながら当法人の取り組みを紹介する。
 (1)出張健康教室
    地域住民の健康に対する意識の向上・啓発の為に以前より外来でミニ健康講座を開いていたが、平成26年度より地域に出向いて健康教室を開催している。これは職員が「地域住民の為に」と発案したものである。この出張健康教室の活動を通して対象である地域住民への貢献のみならず、地域の関係機関との連携についても学びを得ることができた。
 (2)曽於市ミニデイサービスへの協力
    曽於市のモデル事業として実施されているミニデイサービスは地域のボランティアが主体となり運営されている。毎週1回の開催で交流の場としてお茶のみ等を楽しむほか、リハビリテーションや口腔ケアの専門職の協力を得て介護予防活動も行っている。当法人はこの事業にリハビリテーション科スタッフを派遣し、介護予防や住民との交流を行っている。
 (3)社会福祉協議会との見守り協定締結
    曽於市社会福祉協議会では、民生委員・児童委員や在宅福祉アドバイザー、関係機関や市内の企業とネットワークを構築し地域住民の見守り活動を展開している。当法人は一企業としても見守り協定を締結し協力を行っている。
 (4)曽於市との連携
    地域包括ケア推進の中心的役割を担う自治体と医療・介護を提供する当法人とでは事業への協力等を通して連携をはかっている。担当者の連携がきっかけとなり曽於市長と昭南病院院長との意見交換会が実現した。

 

シンポジウム⑦ 新しい介護方法ノーリフトケア〜全国に作ろうノーリフトケアコミュニティモデル〜

座 長      徳田 英弘(ファミリークリニックネリヤ院長/鹿児島大学医学部臨床教授)
         和田 忠志 (医療法人社団実幸会いらはら診療所在宅医療部長)
講 師      保田 淳子(日本ノーリフト協会代表)

 日本でケアをしている時と「腰痛は仕方がないもの」「寝たきりが当たり前」とプロとして立ち止まり、考えることすら忘れていた。そして、「リフトなんて手間がかかるだけで実用的でない。」と日々忙しく、仕事に追われる。
 在宅でも施設でも 頑張って、頑張って走り続け、疲れて倒れてしまいそうな人の心をみかけませんか。患者の家族となって感じた日本のケアや病院への不信。自分が、看護師になっても答えが出なかった「ケアのプロって何なんだろう…。」という思い。腰痛を抱えながら…一生懸命に働いて…それでも、十分なケア提供をできていないと感じていた日本で働いていたころの私時は、悩んでいました。「ごめんねのケアばかりだ。」と…。
 でも、オーストラリアに行って知りました。
 対処療法だったから、腰痛は、ゼロに近いものにならなかったんだと。
 患者さんを力任せに持ち上げることで拘縮を作っていたこと。
 本当に寝かせきりを作らないケア方法は現実にあったのです。
 ホテルと同じサービスが必要なのではない「 ケアのプロの世界」。
 ノーリフトを通して、プロとして働くとは何かを知ってケアの方法も自分自身の考え方も変わりました。
 決してノーリフトがすべてだと思っていません。
 でも、オーストラリアが世界で初めて7対1(看護師1名に受け持ち患者7名)の看護体制を法制化したように、日本のケアもノーリフトを知ればさらに大きく変わると実感しています。
 オーストラリアでノーリフトを学んだ時に言われた「ノーリフトは知った人の責任です。知った人が伝えないと変わらない。」その言葉に押されて日本ノーリフト協会を立ち上げ、2008年より活動しています。
 ぜひ、ノーリフトケアを通して、「私たちにとっての理想的な介護とは?!」を鹿児島で考えてみませんか。

 

部会企画 「アジア介護実践交流会」

座 長      藤村 淳子(NPO 在宅ケアを支える診療所・市民全国ネットワーク 副会長)
         桑原 由次(NPO 在宅ケアを支える診療所・市民全国ネットワーク 理事)
報告者      Bergado Gretchen Satorre ベルガド・グレッチェン・サトレ(フィリピン:医療法人善常会介護福祉士)
         釋  明瑛(内藤 美暁)シャク メイエイ(台湾:医療法人あいち診療会)
         バージニ・アンコン(フィリピン:特養みどりの園)

 診療所・市民全国ネットワークでは、福祉・医療の抱える課題をアジアの全体の課題としてとらえ、日本側の質の向上、アジアの質の向上に寄与していくことを事業の方針の一つとしています。
 2015年北海道大会では「外国人介護人材の受入れ」について、研修生や日本の現場からの視点で意見交 換、交流を図りました。
 鹿児島大会は、日本で実際に介護を行っている外国の皆さんから、介護現場での実感を率直に報告していただきます。
 報告内容は以下のような事柄です。
  ①どのような思いで介護職に就いたのですか
  ②介護現場で最初に 感じた事は何ですか
  ③職場での利用者、介護職とのコミュニケーションをどのように取りましたか
  ④会場の皆さんに、提案・共有したいことはありますか
 様々な実践を踏まえたな交流を通して、多職種の共学、協働介護のあり方をともに考えていきましょう。

Bergado Gretchen Satorreプロフィール
氏名    Bergado Gretchen Satorre(ベルガド・グレッチェン・サトレ)
      1980年生まれ
出身地   フィリピン
将来の夢   子供の頃から医者になりたかったです。可愛くて素敵なドクターとして活動することが夢でした。でも夢は実現する事は難しかったので理学療法士として大学を卒業しました。
来日動機   内向的な性格のためあまり外出せずテレビ鑑賞を好み日本のアニメに興味をもちいつもアニメを観ていました。そのおかげで日本に興味を持つようになり、いつか日本に行こうと思っていました。
日本来日   H20年12月末フィリピンより来日。NTトータルケア株式会社(大阪)からの派遣により愛知県名古屋市南区にある老人保健施設シルピス大磯に来る。1年間日本語学校に通いながら、老人保健施設シルピスで介護職の勉強も兼ねて働き始める。日本の文化や芸術など楽しみながら日本の生活に慣れる。
      *日本語能力試験2級を取得後フィリピンに帰国 ★合格までの道のり 
   H22年6月EPA介護福祉士候補生として来日
   H22年8月〜H25年1月まで週1回大阪(NTトータルケア)で学習
   1年目 日本語の勉強・JICWELS( 国際厚生事業団)の定期講座
   2年目  JICWELSの支援するプログラムに沿って勉強
   3年目 国家試験に向けての勉強 (問題集・集合研修参加)
   介護技術講習を受講し終了認定を受ける「介護技術講習終了証明書」
   ・H25年1月 国家試験受験
   ・H25年3月28日 介護福祉士国家試験合格 
 「介護福祉士国家試験に合格してからもシルピス大磯で勤務。1年に1回帰省したり日本国内の旅行をして楽しんでいる現在です。」
  
釋 明瑛 シャク メイエイ(内藤 美暁)プロフィール
     1967年 台湾生まれ
     1986年 母がすでに日本人と再婚していたため、高校卒業後渡日
     1988年 日本語1級
     1991年 名古屋 中京大学 卒業
     1993年 豊橋 樹研工業退社(国際業務・工業通訳)
     1997年 名古屋大学大学院、在学中は地元のディサービスでボランディア
     1999年 同大学 修士 日本国籍取得(帰化)
     2005年 同大学 博士後期課程単位取得 家業:土谷工業 手伝い
     2008年 継父が脳梗塞で植物人間(入院生活や家族による介護)
     2009年 継父死去、介護に関わる多職種連携の重要性に痛感
     2012年 愛知県養成医療通訳 日中,同年 結婚
     2015年 初任者研修
     2016年 医療法人 あいちにてパート勤務
 高齢化社会の到来は各国の共通課題であり、現場での経験を通して、地元のみならず、日本やアジアにて貢献できれば良いと思っています。

Pepito ANGCON Virginie(ペピト アンコン バージニー)プロフィール
【現職】 社会福祉法人紘徳会 介護老人福祉施設みどりの園 介護職
【職歴】 1989年〜2000年 家政婦
    2009年〜2015年 家政婦
【学歴】 1983年〜1993年 ブゥッグパイロット中央小学校
    1993年〜1989年 西ミンダナオ学院

 

シンポジウム⑧ 医師の居ない地域住民の暮らし

座 長      黒岩 尚文(全国小規模多機能型居宅介護事業者連絡会 副会長)
オブザーバー   森田 洋之(医師)(元夕張市立診療所 院長/南日本ヘルスリサーチラボ代表)
シンポジスト 『鹿児島県鹿児島郡十島村での取組み』
         行 政:十島村役場 保健師 本砥 貴子
         事業所:小規模多機能ホームたから 管理者 米倉 優介
      『鹿児島県肝属郡肝付町での取組み』
         行 政:肝付町役場 保健師 能勢 佳子
         事業所:社会福祉法人 岸良福祉会デイサービスきしら 管理者 平田 英子

 人は生まれる時、死ぬ時必ず医療を必要とする。しかし、高齢者に対する薬の過剰投与、過剰な検査、長引く入院等、過剰な医療や介護サービスは逆に本人の望む暮らしの妨げになってしまうこともある。  過疎化が進む地域や離島では、医師が不在であり身近に医療を受けることはできない。各地の実践事例を検証し、医師不在の不安や不都合は勿論、医師が居ないからこそ作りだされる暮らしを考える。
【報告】
 医師 森田 洋之氏 元夕張市立診療所 院長 
 南日本ヘルスリサーチラボ 代表 
 市の財政破綻により市立病院が無くなり、街から救急病院が消えた夕張市。高齢化率45%のなか悲惨な 現実が待ち受けるかと思われたが、結果はその真逆だった・・。死亡率、医療費、救急車の搬送回数、全てが下がったマジックの背景を報告して頂く。
【シンポジウム】
鹿児島郡十島村での取組み
 7つの有人島からなる日本一長い村。人口村全体で650人。最南端の宝島の人口は110人。交通手段は週2便の鹿児島から13時間かかるフェリーのみ。
 役場も鹿児島市内にある。常駐医師の居ない島で看護師・行政・介護事業所はどのように連携を図り、島民の暮らしを支えているのかを事例を通して考える。
   (行 政) 十島村役場 保健師 本砥 貴子氏
   (事業所) 小規模多機能ホームたから 管理者 米倉 優介氏
鹿児島県肝属郡肝付町の取組み
 地理的に孤立した限界集落が多く、独居高齢者が多い。また、高齢世代と壮年世代の分布に地域的な偏りがあり、高齢化率100%近い僻地地区では集落維持のために、数少ない壮年世代の負担が増大。人口減少の中での集落の維持、および集落の消滅も想定した対応が必要とされている町。
   (行 政) 肝付町役場 保健師  能勢 圭子氏
   (事業所) 社会福祉法人岸良福祉会 デイサービスきしら 管理者 平田 英子氏

 

シンポジウム⑨ 在宅における小児医療『小児の在宅療養支援の課題と今後の取り組みについて』

座 長      奥  章三(鹿児島こども病院 院長)
シンポジスト   藤山 りか(五反田内科クリニック 医師)
         有馬 夕子(訪問看護ステーションめばえ 管理者)
         斉野 洋介(特定相談支援事業所・障害児相談支援事業所エマーブルアリス 相談支援専門員)
         一瀬麻有美(こどもヘルパーりんりん 管理者)
         山下  功(鹿児島市健康福祉局福祉部障害福祉課自立支援係 係長)
         濵上 知美(保護者)

 医療の高度化により重度の障害を持つ小児の救命率が向上し、生命予後はめざましく改善されている。それに伴い、退院後の訪問診療や訪問看護、訪問介護等の役割はとても重要である。そして患者のケアはもとより家族との信頼関係を構築することは、在宅生活に関わる事業者にとって最も重要な要因のひとつである。
 一方で小児の在宅療養支援というものに目を向けるととても十分なものとは言い難い。その一つとして、地域によっては小児の訪問診療を行う医療機関がない、他には介護保険が使えないなど成人に比べると支援体制は不十分である。
 鹿児島県内においても都市部(鹿児島市)と地方の抱える課題や入院医療機関、在宅医療機関、訪問看護ステーション、訪問介護ステーション、行政、そして在宅で療養しているお子さんをお持ちの親など、それぞれが抱える悩みや課題は様々である。今回はそれぞれの悩みや課題などを共有したうえで今後の取り組みについて検討し、今後小児の在宅療養支援がより充実していくための場としたい。

 

シンポジウム⑩ 障がい者たちのいま 〜自立生活?結婚する?〜

座 長      黒岩 秩子(社会福祉法人桐鈴会理事長)
シンポジスト   中村 佳奈(一般社団法人あきの会 療養介護事業所 虹の家 施設長)
         辻 浩一郎(NPO ふれあいネットワーク・ピア理事)
         吉岡 祐二(社会福祉法人南高愛隣会統括部長兼NPO ふれあいネットワーク・ピア理事)
         小林 裕子(ケアホームおひさま、グループホームひまわり 管理者)
         片桐 康雄(ケアハウス鈴懸厨房 管理栄養士)
         富田 直樹(共有清掃助手)
         鈴木 智子(ケアハウス鈴懸 施設長)

 

シンポジウム⑩ 障がいのある方々が働き続けること 〜働くことは生きること〜

シンポジスト 中村 佳奈(一般社団法人あきの会 療養介護事業所虹の家 施設長)

 就労継続支援雇用型(以下A型)の参入事業所が急増する中、障害者を雇用しながらも就労実態がほとんどないなどの行政処分のケースも出てきている。また、A型の場合、障害者の賃金は授産収入から支払われる仕組みであり、経営的にも厳しい現状にある。
 当法人を含めグループ3法人(NPO法人列島会、NPO法人ゆとり)は、「障がいのある方々の仕事を創造する」を基本理念として、障害者就労支援事業を展開している。その中で、A型利用者は現在200名に達している。3法人共通に、高齢者施設や療養介護施設を運営することで、そこに必ず発生する「食事・清掃・洗濯・事務」の仕事を障がい者が行う仕事として提供する仕組みを導入している。また、関連病院や企業とのネットワークを通じそれぞれの地域特性に合わせた、授産内容や事業展開を行っているところである。
 A型は社会的環境と福祉的環境の両方の視点が必要であり専門的アセスメントを行い個々の特性に応じた支援が重要であると考えており、3障害の特性を理解している作業療法士を雇用しているのも3法人共通の特徴である。
 200名の利用者の多くは、収入の担保と生活の維持や一般就労へのステップアップ、体調管理や社会とのつながりなど利用目的は個々により異なっている。労務能力もあり8時間労働も可能であってもA型で働くことを希望する人、日常生活に介助が必要な人、結婚をし子供のために働いている人、具体的な事例を通じて見えてきた「働くことは生きること」がA型の役割であると感じている。

 

シンポジウム⑩ 障がい者だけで運営しているNPOの活動を紹介し、実際に結婚しているペアの生活を紹介する

シンポジスト 辻 浩一郎(NPO ふれあいネットワーク・ピア理事長)
       吉岡 祐二(社会福祉法人南高愛隣会 統括部長兼NPOふれあいネットワーク・ピア理事)

 長崎県内各地に事業所を持っている社会福祉法人南高愛隣会の活動の一部として、当事者の皆さんからレポートしていただく 障がい者が、ガールフレンドやボーイフレンドを作れるようになるだろうか、どうしたら障がい者が恋人をつくり、結婚するようになるだろうか、どうしたら障がいをもつ夫婦がセックス・ライフを含めてよい家庭生活を送ることができるだろうか、と前向きに考えたい。

 

シンポジウム⑩ 富田さんプロジェクト 自立への道

シンポジスト 小林 裕子(ケアホームおひさま、グループホームひまわり 管理者)
       片桐 康雄(ケアハウス鈴懸厨房 管理栄養士)
       富田 直樹(共有清掃助手)
       鈴木 智子(ケアハウス鈴懸 施設長)

 障がい者の勤務態度が悪くなった。指導してもなかなか改善されない。どうしたら元のように真面目に勤務してくれるのか?
 知的障がいを持つ職員の勤務態度が変化した。以前は真面目な勤務態度だったのに、大声で叫んだり、部屋にこもったり、勝手に早く帰ったりしている。注意や指導では改善されなかった。私たちは、彼の話を聞き、彼を理解することが必要と考え、職員一同で富田さんプロジェクトを立ち上げ、彼にとっての幸せ、安心な環境を整えた。
 そのためには、家族、職場、相談機関、地域住民の支援が身を結んだ。